アブストラクト |
現在, 2地球半径以下の惑星半径を持つ系外惑星(Super-Earth, Sub-Earth と呼ばれる) は 1000 個以上発見されている. それらの約半数は, 岩石の融点温度を超えた放射平衡温度を持つほど主星近傍(a < 0.1 AU) に存在している. これら主星近傍の岩石惑星はマグマ由来の蒸気で構成された大気を持つと考えられている(Schafer & Fegley 2009, Schafer et al. 2012). 一方で, 近年, 岩石惑星のような小サイズの系外惑星でも大気観測が可能となりつつある. これらの大気観測から主星近傍の Super-Earth, Sub-Earth のバルク組成ひいては形成過程の理解につながる. 我々は, 独自に開発した大気モデルを用いて, これまで誰も着手してこなかったミネラル大気の鉛直構造推定を行った(Ito et al. 2015). Ito et al. (2015) では, 次世代宇宙望遠鏡 JWST(2020 年予定) の観測精度で十分にミネラル大気が検出可能であることも示されている. 今回はその検討をレビューし, 最近の関連する理論・観測検討を議論したい. |