アブストラクト |
小惑星探査機「はやぶさ2」には小型搭載型衝突装置(SCI)が人工クレーター形成のため装備されている. この装置は質量 2kg の銅製球殻弾丸を速度 2km/s で小惑星表面に衝突させる能力を持つ. この人工クレーターは, 小惑星内部を観測する窓となり, 各種リモセン観測や試料採取が期待されている. 一方, この人工クレーター形成の機会を室内衝突実験の延長としてとらえ, 大規模, 微小重力下における衝突過程の研究として利用することが考えられている. そのために SCI 衝突の観測装置として分離カメラ(DCAM3)が搭載されており, 特に理学観測用のデジタル通信カメラが開発された. この SCI による衝突実験を特に宇宙衝突実験と呼び, クレータースケール則の実証と改良を目的としたサイエンスの展開が検討されている. 本講演では, この「はやぶさ2」人工クレーター形成実験の概要とそれに関わる室内衝突実験及びクレータースケール則の研究について紹介する. |