アブストラクト |
木星表層の雲には, 東西に延びる帯状構造や大赤斑に代表される渦構造 などの特徴がある. これらの模様の違いは, 雲層構造やエアロゾルの光学 的特性の違いを反映している. これらの物理情報をリモートセンシング手 法に基づいて調べるには, エアロゾルの散乱特性 (散乱位相関数) の理解 が必要不可欠となる. しかし外惑星である木星の場合,地上や地球周回観 測では太陽位相角が限定されるため散乱位相関数の導出は不可能である. 本研究では, Cassini 探査機に搭載された Imaging Science Subsystem (ISS) の木星フライバイ観測データを利用することにより, 1) 上部対流圏・成層圏に存在するエアロゾルの散乱位相関数を観測的に 導出すること, 2) zoneとbeltの模様の違いを説明すること, を目的とした. 本発表では, 関連する先行研究の概要を説明するとともに 本研究で明らかとなった知見について議論する. |