アブストラクト |
オープンサイエンスや研究データ共有といった単語は, すこしはお聞きになった方はおられるかも知れない. 今後の学術活動の進め方に大きな影響を与える問題と言われるが, わが国の研究現場ではまだあまり浸透していないようである. ここでは, 学会等から研究現場に至るまで学術活動の現場にもたらされる変化を想像し, 必要となるであろう対応や行動を考える際の参考とするべく, オープンサイエンスと研究データ共有の国際的な動向について,現状の紹介および議論をしたい.
講演では,オープンサイエンスやデータ共有の国際動向について, 特に研究活動を支えるエコシステム(研究機関,科学関連省庁,資金調達機関,ジャーナル出版社, 学協会などを含む研究ライフサイクル),国際・国レベルの科学政策での議論や, 研究文化変容の可能性について紹介したい.
また, 日本におけるこれらの政策, 研究データ基盤,研究ジャーナル,学会等における現状と将来像についても議論したい.研究データの共有と保存に関するインセンティブやメリット, 資金問題や組織としてアクション等を含む議論を科学者側で考えておくことは, 持続可能でより健全な科学研究を目指した他のセクターとの今後の対話のためにも重要と考えられる. |