アブストラクト |
我々の太陽系は彗星や小惑星から放出されたダスト微粒子に満ちている。 惑星間空間に存在するダスト微粒子は、 例えば、黄道光の観測から存在を確認することができる。 当然、我々の住む地球も惑星間空間ダストに取り囲まれており、 こうしたダストが地球に降り注ぐ総量は一日あたり 100 トンに達するとも言われている。 地球大気に突入したダストは、その運動エネルギーの一部を光として放出することで流星となる。 微光流星の光度分布を調べることで、 地球周辺における微小な惑星間空間ダストの質量分布を探ることができる。 微光流星の検出には動画観測が有効である、東京大学木曽観測所では 105 cm シュミット望遠鏡の主要観測装置として CMOS モザイクカメラ Tomo-e Gozen (トモエゴゼン) を開発している。Tomo-e Gozen は 84 枚の CMOS イメージセンサを搭載し、20 平方度の空を 2 Hz で動画観測する能力を持つ。我々は Tomo-e Gozen プロトタイプ機を用いた試験観測より、Tomo-e Gozen が 12 等までの流星を検出可能であること, および一晩におよそ 2,000 件もの流星イベントを検出可能であることを実証した (Ohsawa+ 2019, P&SS, 165, 281)。発表では Tomo-e Gozen 試験機による流星観測の詳細に加えて、現在進行中のプロジェクトである京都大学 MU レーダと Tomo-e Gozen による微光流星同時観測の結果についても紹介する。 |