アブストラクト |
地球型惑星形成の後半には、数十個の火星サイズの原始惑星が、 お互いに衝突合体をし、地球サイズにまで成長するという激しい ステージが存在する。このステージは、複数個の原始惑星の軌道 進化を数値計算することによって再現され、最終的に形成される 地球型惑星の特性(個数・質量・軌道、自転の方向・速度、衛星の 形成)が調べられつつある。
しかし、これまでに行われてきたすべての軌道計算では、原始惑星 同士の衝突において完全合体が仮定されてきた。つまり、原始惑星 同士が接触した場合、衝突速度や衝突角度などによらず、すぐさま 合体し質量欠損が起こらないとしてきたのである。
この仮定は、間違っていそうである。
そこで、どのような衝突条件で原始惑星同士が合体するのか、 しないのか、を明らかにするため、合計1000通りを超える流体 シミュレーションを行った。この結果をもとに、原始惑星の合体条件、 合体時・非合体時の散逸質量、コア―マントル比の変化などを 系統的に調べ、(一部)定式化に成功した。
完全合体を仮定した過去の研究で得られた衝突イベントと、本研究で わかった合体条件を照らし合わせたところ、実に約?%の衝突イベントで、 合体せずに分離してしまうことがわかった。
(?の部分はセミナーで発表します)
このような原始惑星の非完全合体が、最終的に形成される地球型惑星 の特性にどれくらい影響を与えるのかを最終的には知りたいと考えており、 本セミナーでも議論していきたいと思っている。 |