アブストラクト |
冬季日本海では低気圧の通過にともない、様々な筋雲をGMSなどが提供する衛星写真でみることができる。日本海では筋雲といっても、様々な形態のものが存在する。良く知られいるのはJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)にみられる帯状雲であり、北陸地方に大雪を降らすことがしばしばある。一方、北海道西岸ではMuramatsu(1979)により、特に太い筋雲(以下、村松バンドと略す)が発生することが報告されており、風上地形の影響を強く受けていると推測されている。しかし、これまでの研究の多くは画像解析によるものが多く、筋雲の特徴を調べる研究が多かった。また、この海域での観測はほとんど行なわれていないため、成因に関する理解が不十分である。本講演では、まず日本海に見られる筋雲や収束帯の特徴についてこれまでの研究を紹介する。次に、数値モデルを用いて、この村松バンドの発生、発達過程について議論を行なう。 |