MOSIR Project

上部マントルトモグラフィー ---表面波で地球内部を覗く---

会場	北海道大学

アブストラクト	地球表層をなぞるように伝わる地震表面波は、上部マントル内部の大規模な３次元不均質構造を探る上で最も有力な情報である。近年、広帯域地震観測網の発展に伴い、大量の地震波形データが得られるようになり、トモグラフィーモデルの分解能も飛躍的に向上してきた。しかし、これまでトモグラフィーを求めるためのインバージョン法は実体波、表面波を問わず、高周波近似に基づく線形波線理論に基づいてきたため、利用可能なデータ等に種々の制約があった。最近このようなトモグラフィーの手法を根本的に改善するため、波線周辺の領域からの影響まで考慮したトモグラフィーモデルの研究がさかんに行われはじめた。本講演では、不均質媒体中における表面波の伝播と、その観測から内部構造を探る手法を概観し、さらに表面波トモグラフィーの最新手法を紹介する。
キーワード	上部マントル, トモグラフィー, 表面波, 地球内部