セミナー: | CPS セミナー |
日時: | 2022 年 1月 14日(金) 16:00-18:00 |
場所: | ネット会議システム (Zoom) |
講演者: | 郷田 直輝(国立天文台) |
タイトル: | "JASMINE(赤外線位置天文観測衛星)" |
要旨: | JASMINE(JAXA宇宙科学研究所の公募型小型計画3号機の唯一の候補として選ばれている「小型JASMINEミッション」)は、赤外線による超高精度位置天文観測と時間軸天文学の遂行を目的とした衛星計画である。科学目標の1つは、天の川銀河の中心領域の星の距離と運動を測定し、中心核構造とその形成史や巨大ブラックホールの進化を明らかにすること(銀河中心考古学)である。また銀河中心考古学を通じて太陽系等の移動を引き起こす原因となる銀河構造の進化の過程を明らかにすることも科学目標に掲げている。さらに、位置天文観測で達成される高精度な測光能力を活かしたトランジット観測により、中期M型星周りの生命居住可能領域にある地球型惑星を探査することも重要な科学目標である。これらの科学目標のために、星の年周視差、固有運動、測光の時系列データ等の必要な物理情報をカタログとして作成し、世界の研究者へ公開する。JASMINEは、JAXAでの開発フェーズの段階的アップを目指して計画を推進している。JASMINEで期待できるサイエンス成果の精査や拡大を検討しているとともに、国産赤外線検出器の宇宙用化開発等の観測装置開発とデータ解析ソフトウエアの開発(ヨーロッパのGaiaメンバーとの国際協力を含む)を進めている。本講演では、JASMINEの主目的の1つである位置天文観測の紹介からはじめ、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)が運用中の可視光位置天文観測衛星Gaiaの成果、そしてJASMINEの全体的な概要と進捗状況を発表する。 |
キーワード: | 位置天文、銀河系、系外惑星探査 |
世話人: | 牧野 淳一郎 |
参加方法: