日時: 2012 年 6 月 13 日(水) 15:00-
場所: CPS セミナー室
講演者: 佐々木 貴教 (東京工業大学)
世話人: 鈴木 絢子
タイトル: 新たな海形成機構の提案
要旨: 地球の海の起源については、これまでにも数多くの議論がなされており、地球型惑星が獲得する水の質量についての制約が重要な研究課題となっている。また地球の初期表層環境について、マントルは形成直後に酸化的である一方、大気は25億年前まで還元的であるという、酸化還元度に関するパラドックスが存在する。金星の初期表層環境についても、海洋散逸時に余剰酸素が大気中から取り除けないという問題が存在する。

本研究では、地球型惑星形成最終段階で必然的に起こると考えられる巨大衝突破片の再集積(=レイトベニア)による原始海洋の消失、およびその後の海再形成機構についての新しいシナリオを提案する。本シナリオにより、地球の海の形成、および地球と金星の初期表層進化についての統一的な理解が可能となり、これまで議論されてきた地球の海洋質量の調整・酸化還元度に関するパラドックス・金星の余剰酸素など、様々な問題が解決される。
キーワード: 地球型惑星, 海形成, 惑星初期進化