日時: 2011 年 3 月 23 日(水) 16:00-
場所: 神戸大学自然科学総合研究棟 4 号館 809 号室
講演者: 羽馬 哲也 (北海道大学低温科学研究所)
世話人: 谷川 享行
タイトル: 氷の上の化学反応 ―地球から宇宙まで―
abstract: 本講演では、「氷の化学反応」に注目して、地球大気や星間分子雲でみられる現象を解説する。氷は、地上では極域地表に、大気中には雲(氷微粒子)として自然界に豊富に存在する。地球を離れ宇宙に目を向けても氷は星間塵や彗星の主成分として多く存在している。氷表面では気相では起きないような反応も効率よく起きるため、地球や星間分子雲で観測されている現象を説明するためには、氷の化学反応が必要であることが明らかになってきた。本講演では、氷の化学反応の影響が特に大きい(1)極域成層圏におけるオゾンホール生成、(2)分子雲における化学進化について、おもに解説する。地球と宇宙では温度などの諸条件が変わるため、それにあわせて氷でおきる化学反応も当然ながら異なる。環境によって氷でおきる化学反応の種類がどのように変わるか、その多様性を紹介する。