日時: 2008 年 12 月 1 日(月) 15:30 - 17:00
場所: 北海道大学 理学 8 号館 コスモスタジオ
自然科学総合研究棟 3 号館 506 号室奥のセミナー室
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
東北大学 惑星プラズマ・大気研究センター
九州大学 理学部 3 号館 3603 号室
(ビデオ会議システムを用いて中継予定)
講演者: 杉山 耕一朗 (北海道大学)
タイトル: 木星大気の雲対流の直接数値計算
abstract: 雲の生成消滅は対流運動と降水等の雲微物理過程の影響を受けるだけでなく, 大気の成層構造の決定を通して対流運動に影響を与えるものである. 一般に 木星大気中には 3 層の雲 (上から順に NH3, NH4SH, H2O) が存在すると考 えられているが, この描像は上昇する気塊とその熱平衡を仮定した鉛直 1 次元の熱平衡計算の結果に基づいたものにすぎない. 雲の生成消滅と対流運 動の相互作用によって実現される大気構造は, 未だよく理解されていない問 題である.
そこで我々は木星大気中の 3 種類の雲の生成消滅と対流を陽に扱う数値流 体モデル (雲対流モデル) を開発し, 放射を模した熱強制の下で多数の雲の 生成消滅が繰り返された結果として決まる統計的平衡状態での大気構造を調 べてきた. 得られた雲の鉛直分布は従来の理解と大きく異なるものであり, また凝結高度付近に形成される安定層を境に流れ場が上下に分割される傾向 が見られた. 本講演では, これらの雲対流の直接数値計算を行うことで得ら れた大気構造の特徴について詳細に述べる予定である.
備考: 本セミナーは惑星大気研究会 オンラインセミナーと共催で行われます.
惑星大気研究会 http://wtk.gfd-dennou.org/