アブストラクト |
大規模解析および予測データから社会的にインパクトの大きな事象を取り出す手法は重要である。その一つが低気圧の追跡である。従来型のトラッキング手法は2枚の天気図(あるいはそれに相当する等圧面データ)から、時間的に近接する低気圧中心点の探査するものであった。しかし、この手法では、日本付近でよくみられる併合を評価することが困難である。発表者は、低気圧領域の時間的な重なりを探査する新たなトラッキング手法(NEAT)を開発した。この方法を再解析データに適用したところ、西岸境界流域での低気圧の併合が他よりも多いことがわかった。この手法は台風や海洋中規模渦にも用いることができる。さらに、前線のような細長い形状の現象の追跡を目指し、計算位相幾何学の方法の1つ、パーシステント・ホモロジーを用いた新たな追跡法を開発中である。本講演ではホモロジーの簡単な導入を含め、最新の成果を述べる予定である。 |