アブストラクト |
水星には月と同様に大気はほとんどありませんが微量に存在するナトリウムは地上からも観測することができます。ナトリウムは1-3時間程度で電離してしまうため、太陽光、太陽風、隕石・ダスト衝突によって地表から放出され続けていると考えられています。大気光の観測により大気密度とその分布が時によって大きく異なることが分かってきており、これは太陽風やダスト衝突量の時間空間変動によるものと考えられます。水星近傍での太陽光量は推定できますが、太陽風やダストの衝突量の推定は困難です。これらを大気光の観測によって推測し水星環境を(ある程度まで)探るというのが本研究の内容になります。今後、2011年3月18日に米国メッセンジャー衛星が周回軌道に投入され、2014年には日欧共同水星探査計画ベピコロンボが打ち上げを迎えます。これらの衛星観測によって得られそうな成果についても紹介します. |