アブストラクト |
金星と地球でその表層環境が大きく異なっていることの意味を考えることは、地球がなぜ地球であるのかという問いかけを行うことと同じであると言ってよい.この問いに答えるためには、金星の気候システムの振る舞いを規定しているメカニズムを特定し、それが地質学的な時間スケールで気候システムにどう影響するのかを評価することが必要となる.金星の気候システムにおいては、高温高圧下での大気と惑星表面の化学反応、光化学反応による雲生成、雲による日射の反射、大気と雲の温室効果、といった素過程の相互作用が重要と考えらている.本講演では、これらの素過程を結合した金星気候モデルによって、素過程の結合によって生じたフィードバックが金星気候システムに及ぼす影響を考察する. |