| セミナー: | CPS/WTK セミナー |
| 日時: | 2020 年 10月 6日(火) 16:00-18:00 |
| 場所: | ネット会議システム (Zoom および TV会議) |
| 講演者: | 今村 剛 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授) |
| タイトル: | 惑星大気のスーパーローテーション |
| 要旨: | スーパーローテーションとは大気が赤道域を含む広い緯度範囲で自転方向に循環することを指す。太陽系では金星とタイタンに全球にわたるスーパーローテーションが見られるほか、やや緯度範囲が限られるが木星と土星の大気にもそのような流れが存在する。また太陽系外惑星の中にもスーパーローテーションの存在がうかがわれるものがある。スーパーローテーションが維持されるためには非軸対称な擾乱による角運動量輸送が必要であることが理論的に示されている。近年の数値モデルを用いた研究によって、地球型惑星では惑星規模の力学的不安定に伴う南北角運動量輸送と熱潮汐波の付加的な寄与が示唆されている。木星と土星では最近の観測からスーパーローテーションが惑星の奥深くまで広がっていることが示唆されているが、そのメカニズムはわかっていない。潮汐固定された系外惑星では強い放射強制によってスーパーローテーションが生じることが予想されている。本セミナーでは、観測により明らかになってきたそれぞれの天体の大気循環と、理論的研究や数値モデルにより予想されているメカニズムについて、天体間で比較し議論する。なお内容は概ねImamura et al. (2010)(以下)にならう。https://doi.org/10.1007/s11214-020-00703-9 |
| キーワード: | スーパーローテーション、惑星 |
| 世話人: | 林 祥介 |