日時: 2011 年 3 月 2 日(水) 10:00-11:00
場所: 神戸大学自然科学総合研究棟 4 号館 809 号室
講演者: 黒澤 耕介 (東京大学)
世話人: 中村 昭子
タイトル: 天体衝突による相変化
abstract: 太陽系天体はお互いに衝突を繰り返して成長してきたことがわかっている。
衝突時の衝撃圧力があるしきい値を超えると天体の構成要素である水氷や岩石が熔融や蒸発を起こす。衝突熔融は天体のコア形成を促す、特徴ある地質試料を生成するなどの重要性がある。また衝突蒸発は活発な気相化学反応を促し、原始地球に生命前駆物質を供給する重要な過程であったと言われている。また近年の研究によれば, 衝突時の珪酸塩蒸気の量や力学挙動は月形成巨大衝突仮説の成否を決定づける重要なパラメータである。
発表者はCPS exchange programの支援を受け, ハーバード大学に一ヶ月滞在し、EKB領域での氷天体衝突による岩石核形成の可能性に関する共同研究を開始した. 今回の発表ではその概要をお話する。また東大グループとハーバードグループが独立に進めている大型高強度レーザーを用いた珪酸塩の衝突蒸発実験についての概要と我々の最新の結果を紹介し, 月の起源への応用に関して議論したい。