アブストラクト |
EHTの公開データを独立再解析を行い、EHTCの示すリング像とは異なる撮像結果を得た。なぜ違う撮像結果になったのか?、どっちが正しいのか?について説明する。(1)なぜ違う撮像結果になったのか? EHTCは非常に狭い視野設定(128マイクロ秒角以下)を行い、像の範囲を最初から限定している。実は、データにサンプリングバイアス(=40数マイクロ秒角くらいの大きさの構造を創りやすい)がある。EHTCの狭視野設定はそのバイアス効果を強め、40数マイクロ秒角サイズのリング像に到達した。 一方、我々は、広い視野設定(25ミリ秒角)をして、通常の撮像解析を行い、バイアス効果を受けにくい撮像解析をした。EHTCは広い視野は得られないと主張しているが、電波干渉計の理論計算からはEHTCの主張より広い範囲の撮像ができる。(2)どっちが正しいのか? 我々の結果も完璧ではないが、より正しい。EHTCのリング像は間違いである。(a)我々の結果は有名なジェットを検出するなど、従来の観測結果と矛盾しない。(b)我々の結果はデータと撮像結果の整合性(残差)において、EHTCのリング像より、はるかに良い一致度を示す。(c) EHTC のリングはEHTC の観測局配置(u-vカバー)から“でがちな”構造であり、点源模擬データからもリング像が作れてしまう。 |