アブストラクト |
惑星形成の舞台である原始惑星系円盤の理解は、ALMA望遠鏡の登場によって劇的に向上した。原始惑星系円盤はリング・ギャップといった副構造に満ちていることがわかり、円盤のダスト質量と系外惑星の質量を直接比較することも可能となってきた。本講演では、前半でこれらのALMAによる進展をまとめ、現在の円盤の理解を共有した上で、後半で我々の進めてきたALMA偏光観測を用いた研究について議論する。ALMA偏光観測は、ミリ波におけるダスト散乱が支配的であることが確認され、そこから示唆されるダストのサイズは最大100ミクロン程度であり、更に比較的コンパクトな構造を持つこともわかった。これらの結果は従来の観測がミリメートルダストを示唆していることと矛盾しており、もし偏光観測の解釈が正しければ、惑星形成過程の理解を大きな変更を迫るものであると期待される。講演の最後に、ngVLAへの期待についても議論したい。 |