MOSIR Project

原始惑星系円盤におけるダストの合体成長に対する静電反発の効果

会場	神戸大学自然科学総合研究棟 4 号館 809 号室
資料	講演資料 (1.48MB)

アブストラクト	ダスト微粒子の合体成長は原始惑星系円盤における惑星形成の第一歩である。原始惑星系円盤は弱くではあるが電離していると考えられ、ダスト粒子は電離ガスを捕獲して帯電すると予想される。ところが、帯電の影響は、従来の原始惑星系円盤におけるダスト成長の理論において完全に無視されてきた。発表者は、原始惑星系円盤中でのダストの平衡帯電量が解析的に計算できることを発見し、帯電の効果を取り入れたダスト粒子の合体成長の統計的シミュレーションを世界に先駆けて行うことに成功した。この結果、乱流の弱い円盤においては、軌道半径が数AUから100AU程度の領域で、ダスト粒子の負に偏った帯電がそれらの合体成長を著しく妨げることを明らかにした。本発表では、これまでに得られた結果を紹介し、従来の（微）惑星形成シナリオの再構築の必要性と円盤観測に対する示唆について議論する。
キーワード	ダスト, 原始惑星系円盤, 静電反発, 惑星形成論, ブラックホール物理