アブストラクト |
星は星間空間に漂う分子ガスが集まり密度が高くなって生じる。これまでに、国内外のグループによるCOやその同位体のスペクトル線観測から、銀河系(天の川)内での分子ガスの分布の全体像が明らかになってきたが、星形成が起こっている場所(分子雲の奥深く密度の高い領域)については、個々の星形成領域については観測があるものの、巨大分子雲全体あるいは銀河系全体に及ぶような観測はなされていない。このような状況を踏まえ、私たちは苫小牧11m電波望遠鏡によるアンモニアのスペクトル線観測によって、銀河系内のどこで星が形成されるか、また星形成が起こるための分子ガスの条件(温度、密度)を明らかにすることを目指している。アンモニアのスペクトル線観測を実現するために、私たちは望遠鏡の移設以来システムの改修を進めてきたが、このほど漸くスペクトル線の試験観測ができるようになり、観測開始の目処が立ってきた。これまでの進捗も含めてアンモニア観測計画について紹介する。 |