Ayako I. SUZUKI

鈴木絢子

「衝突クレーターで紐解く地球惑星科学」をキーワードに，研究教育活動を行っています。

衝突クレーターとは，物体が高速で衝突した痕跡のことです。地球，月のみならず，太陽系内の固体天体上で普遍的に観察される，もっとも目立つ地形の一つです。1ミクロンより小さいものから1000kmを超えるようなものまで，様々なスケールの衝突クレーターが見つかっています。衝突現象自身も，太陽系形成初期から現在まで常に発生している現象です。

衝突クレーターで興味深いのは，このように普遍的であると同時に，衝突される場所や衝突する物の性質に影響されて，特有の様相を呈することです。 さらに，クレーターの個数から相対年代を推定したり（クレーター年代学と言います），個々のクレーターが年月とともに変形していく現象を用いて，環境変動やその持続時間を制約することもできます。 衝突クレーター形成過程では地下の物質が地表へばら撒かれるので，地下の情報を得るためのプローブの役割も果たします。

衝突クレーターを惑星探査ツールとして利用するためには，原因（衝突される場所やする物の性質，環境変動など）と結果（地形）の関係を明らかにしなければなりません。私は，室内実験を通して，この原因と結果の関係を解明することを目指しています。