専門分野 (臼井文彦)

地上望遠鏡や人工衛星を用いた太陽系小天体の観測的研究

私たちの住む太陽系には、小惑星や彗星といった太陽系小天体が広く分布しています。これらは太陽系が形作られた46億年前の姿をいまだに残している「化石」のような天体です。これらを調べることで、太陽系の起源や進化をひもとく手がかりが得られます。日本の小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」によって大きな成果が挙げられていますが、一方で望遠鏡による多くの天体の網羅的な観測によって、探査機が詳しく調べた天体の性質が一般的なのか例外的なのか、という太陽系における位置付けを示し、全体的な進化のシナリオを考えることができます。私たちは、このような望遠鏡を用いた太陽系小天体の観測的研究を行っています。特に、太陽系小天体における「水」に興味を持っています。小惑星には岩石と水が反応してできた含水鉱物として、彗星には氷として水が存在しています。数多くの太陽系小天体における「水」の性質を理解するために、地上望遠鏡や宇宙望遠鏡を使って可視光や赤外線の観測を行っています。 (2019/04)