アブストラクト |
地球は46億年、常に変わり続けている。自分たちが享受した環境を維持することは不可能としか思えない。春になると北太平洋で植物プランクトンが大増殖する。それは栄養塩を含んだ深層の水が湧昇し、太陽光が十分に注がれ、適度な水温上昇があ り、同時にアジア大陸からの黄砂が外洋域の海洋生物に不足気味の重金属を持って、何千キロメートルも偏西風により飛来するからである。そしてこの時期に高度10kmにある成層圏と対流圏を分ける圏界面は大きく歪み、成層圏の物質が対流圏に一気に降下する。自然現象の解明を目的とする研究が進むほど、地球は生きているという実感を持たざるをえない。人類は地球を救えという。私には人類とは地球上にわずかな期間生かされている一生物にしか思えない。恐竜は1億6000万年地球上で栄えた。人類 は生まれてわずか400万年。人類もまたいつか滅びる。我々はその痕跡を地球上にど んな形で残すのだろうか。 |